一文字葺きの長所・良いところ
一文字葺きや菱葺きは、小さな金属板を噛み合わせることで大きな屋根面を仕上げる葺き方です。
銅板を使った神社などの屋根や、茶室の屋根部分などに使用されています。
和風住宅の軒先部分に使用されることも多い葺き方です。
菱葺きは壁に使われることもあります。
小さな金属板を噛み合わせて作るので、瓦とのつながりで葺いても似合います。
小気味良いデザインなので、瓦だけでは重たい印象になってしまうことを緩和してくれるのです。
一文字葺きや菱葺きは、固定する金物をたくさん使うことになるので、比較的丈夫になります。
特に柔らかい銅板を葺く際には、よく用いられます。
立体的なデザインの屋根にも対応しやすい屋根の葺き方です。
小さな金属板をつなげて作るので、小さな曲面部分なども葺くことが出来ます。
一文字葺きの短所・悪いところ・欠点
一文字葺きや菱葺きは、他の金属板の葺き方同様に、断熱性能や防音性能の悪さが弱点です。
金属板を下地に直接取り付ける形になるので、断熱性能や防音性能の悪さが目立つのです。
小さい金属板を噛み合わせて作るので、工事が大変です。
最近では工事を出来る職人さんも減っているようです。
手間がかかる分だけ、かかる費用もアップしてしまいます。
現場での金属加工が多くなるので、硬い金属や変形しにくい金属では採用しにくい仕上げ方です。
ステンレスやチタンで一文字葺きや菱葺きを行う場合は、あらかじめほとんどの加工を工場などで済ませておく必要があります。
一文字葺き・菱葺きは、日本的なデザインの金属板の葺き方です。
神社や茶室の屋根にも利用される、趣のあるデザインが持ち味なのです。
柔らかく加工しやすい銅板を使うのが一般的です。
工事が大変なので、かかる費用が上昇してしまう点が弱点です。
また瓦などの屋根の軒先一部分だけを葺くことも多く、そのつなぎ目部分が防水上の弱点となりやすくいのです。
一文字葺きや菱葺きは、和風のデザインに対する評価が一番のポイントとなります。
他の金属板の葺き方には無い、和の趣ある葺き方に対する評価によって、採用が決まってしまう葺き方といえるでしょう。