折版屋根の長所・良いところ
折版屋根は、金属板を波型に折り曲げて強度を確保した屋根材料です。
現在では、コストと耐久性のバランスがいいガルバリウム鋼板を使った折版材が主流です。
ゆるい勾配(傾き)まで対応可能なので、平らに見える屋根を作ることが出来ます。
屋根が非常に軽くなるので、地震には有利となります。
折版屋根は、屋根材自身が大きな強度を持つので、支持する下地が少なくて済みます。
屋根を支持する母屋の間隔を長くすることが出来、さらにタイトフレームと呼ばれる取付け材料以外には、垂木や野地板などの必要がなくなります。
工事が簡単で工事期間が短く、材料もローコストになるのです。
折版屋根の短所・悪いところ・欠点
折版屋根は、断熱性能や防音性能が弱点となります。
金属板と薄い結露防止材(ペフ)だけで作ることが多いので、断熱性能はよくありません。
さらに防音や遮音性能もかなり低いので、雨音が気になることも多くなるのです。
断熱性能や防音性能を高くする工法もありますが、折版を2重に使ったりする必要があるので、コストは高くなります。
住宅では天井裏で断熱性能を高めることが多く、壁の断熱材と隙間をなくすことも難しくなるので使いにくい工法です。
屋根材の波の高さによっては、屋根部分の厚みが大きくなります。
また水上・水下や側面部分のデザインも独特になるので、屋根や外壁のデザインが限られてしまいます。
折版屋根は防水が1層となるので、信頼性や耐久性の面では若干不安があります。
木造でゆるい勾配で使用すると、木材のたわみによって上手く水が流れなくなり、雨漏れにつながることもあるのです。
折版屋根は、ローコストと簡単な工事が特徴の屋根材料です。
屋根が軽くなり、ゆるい勾配の屋根にも対応できるので、意外に便利な屋根材ともいえます。
屋根の高さを低くできるので、建物の高さに制限がある地域でも利用しやすい屋根なのです。
しかし断熱性能や防音性能で劣ってしまうという欠点もあります。
また防水部分が1層となるので、定期的な点検が欠かせません。
小屋裏換気をしっかり行うことが大切で、雨音などをあまり気にしない人に向く屋根材といえるでしょう。