複層ガラス・ペアガラスの長所・良いところ
複層ガラスは、スペーサーと呼ばれる部材で2枚のガラスの間に空気層を設けたガラスのことです。
ペアガラスとも呼ばれますが、この名称はメーカーの登録商標(ウォシュレットやウォークマンと同様)となります。
空気層の厚みは6mmタイプと12mmタイプが主流で、12mmタイプのほうが断熱性能は向上しますが、サッシの枠に入らないこともあります。
複層ガラスは中に空気層があることで、断熱性能が飛躍的に高くなります。
同時に結露も大幅に少なくなるので、室内の温度環境を良好に保てます。
ガラスが2重になるので、その分だけ遮音性能も若干向上します。
2枚のガラスの厚みを違えると、より効果的です。
複層ガラスはガラスの組み合わせが自由なので、熱線吸収や防犯ガラスなど機能性ガラスとの組み合わせが可能です。
断熱性能などをより高めることが出来るので、必要な性能の組み合わせを選ぶことが出来るのです。
空気層を作るスペーサー部分に、湿気を吸収する機能を持たせた製品もあります。
ガラス内部の結露を防止してくれるので、住宅用のペアガラスには必須の機能といえるでしょう。
また空気層の部分に特殊なガスを封入することで、断熱性能などを向上させた複層ガラスもあります。
複層ガラス・ペアガラスの短所・悪いところ・欠点
複層ガラス・ペアガラスは、普通のガラスを使う場合には防犯効果はさほどありません。
2枚のガラスを割って侵入する手間は、1枚のガラスを割る手間や時間と大きな差は無いのです。
ガラス部分の断熱性能は高くなりますが、サッシ枠部分の断熱性能が弱点となることもあります。
複層ガラスの断熱効果を発揮するには、枠も含めた断熱性能で考える必要があるのです。
遮音性能は、ガラス2枚分を合わせた厚みのガラスとほとんど同じです。
空気層が薄いために、遮音の性能は高くないのです。
また空気層が共振する音の高さ付近で、遮音性能が極端に悪くなります。
ガラスの再カットが出来ません。
スペーサーが必要な作りなので、この部分をカットできないのです。
スペーサーに吸湿や気密性能を持たせた部分が、劣化することも多くなります。
そうなると、内部結露が発生したり、断熱性能が劣化することもあります。
また、コストも普通のガラス2枚分よりも高価になります。
スペーサー部分と組み合わせる手間が必要なので、コストが上昇してしまうのです。
複層ガラス・ペアガラスは、断熱性能の高さが大きなポイントです。
冷暖房効果を考えると、これからの住まいでは標準装備が望ましい建築材料とも言えそうです。
安全性や防犯効果や遮音性能などについては、使用するガラス次第です。
またガラスのコストも高くなるので、必要な性能に応じて上手にガラスを選択することが、複層ガラスの使いこなしのポイントとなります。