外断熱工法

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外断熱工法の長所・良いところ

外断熱と一言でいっても幾つかの考え方がありますが、ここでは構造体の外側に断熱材を配置する、本当の意味での外断熱工法について考えます。
外壁材料に断熱性能を持たせただけの外断熱工法は、断熱としては内断熱で外壁面の断熱を加えているだけなので、ここでは考慮しません。

断熱材が構造体から独立しているので断熱材に溜まった湿気が構造体をいためることがなく、住まいの耐久性が高くなります。
構造部分の温度変化が少なくなれば金物の結露も抑えられるので、耐久性の面では特に有利といえます。

外断熱工法は構造体の外側に断熱材を配置するので、断熱部分の隙間が極めて少なくなり、断熱性能が非常に高くなります。
屋根から壁まで断熱材がつながることになるので、断熱効果が高くなるのです。

断熱性能が高くなるので、暖房にかかる毎月の費用が抑えられます。
上手く使えば冷房費も抑えられ、毎月必要な光熱費も低く抑えることが出来ます。

外断熱工法の短所・悪いところ・欠点

外断熱工法は、断熱材の厚み分だけ屋根や外壁の仕上部分が外側に出てくるので、それを支持する材料や窓廻りの工事が追加で発生します。
そうなると当然、住まいのコストもかなり上昇します。

屋根や外壁の取り付け強度が弱くなる可能性もあるので、台風などの際には被害を受けやすくなる可能性があります。
断熱の厚み分を支える下地の強度や耐久性によっては、住まいの寿命が短くなってしまうこともあるのです。

窓部分や換気扇の開口部分などに十分な断熱性能がない場合、せっかく高い断熱性能を十分発揮できない可能性もあります。
住まいのコスト上昇分としては、窓や換気扇部分の断熱性能を上げるためにも必要ですから、さらに高額な費用が必要なのです。

外断熱工法は断熱性能が高すぎる為に、温暖な地域では工事コストの上昇分を補うほどの冷暖房費削減効果が得られない場合もあります。
気候の良い時期は冷暖房が必要ないので、その期間が長いと、工事コストの上昇分ほど冷暖房費を減らせない場合が多くなるのです。

窓の断熱性能を上げると、窓を開ける操作に余分な手間が掛かることもマイナスと言えます。
窓が2重になると、窓を開けての通気を行う手間が2倍以上に増えてしまいます。
自然換気を上手く使用しないと、冷暖房費は高くなりがちなのです。

外断熱工法は、温暖な地域ではマイナス部分が多くなるので、採用の際には注意が必要です。
もともと寒冷地域における冬季の効果的な暖房の為にあるような断熱工法なので、温暖な地域では過剰ともいえるのです。

また外断熱工法の住まいは、全室冷暖房が基本です。
外断熱工法を採用した住まいで各室個別の暖房を採用しているような場合は、本当に外断熱工法が必要なのか 考える必要があるのです。

温暖な地域では自然の風通しの良さを重視したほうが快適で、さらに冷暖房費を抑えることにもつながります。
外断熱工法は特別な事情やこだわりがないと、温暖な地域では採用しにくい工法といえるのです。

外断熱工法 高気密・高断熱 屋上緑化 壁面緑化


   住まいの長所と短所の研究室 アイコン  住まいの長所と短所の研究室 はリンクフリーです。                    2010年10月22日更新

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