木造在来工法

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木造在来工法の長所・良いところ

木造在来工法とは、現代の木造住宅の主流となっている工法です。
日本古来の木造住宅の作り方である、柱と梁を組み合わせて建物を構成する作り方です。
古来の方法に比べて柱を小さくして、貫など難しい作りを省略する代わりに、基礎や筋かいなど建物を補強する構造を追加しています。

筋かいや金物を規定通りに使用することで、建物の強度のばらつきを少なくしています。
大工さんの腕による強度のばらつきを少なくできるので、全体的に地震や台風に強い建物となります。
柱が小さくなることで、同じ大きさの住宅に使用する木材の量が少なくて済む点も長所といえるでしょう。

木造在来工法の短所・悪いところ・欠点

木造在来工法は、古来の日本の住宅が持っていた長所の多くを失っています。
構造の強さを壁や筋かいに頼っているので、壁が必要になり住まいの開放感が少なくなります。

基礎部分を固定してしまうことで、地震による揺れを抑える免震的な効果もなくなっています。
また木材の特性である粘り強さを活用していた点についても、それを利用しにくい作りに変化しているのです。

在来工法には金物を沢山使用しているので、金物の結露によって木材の傷みを増やしてしまうという欠点も増えています。
通常の使用では木材自体は長持ちするのですが、浴室の湿気や結露によっても傷みが早く進む場合があるのです。
また釘や金物や合板などの寿命によって、構造強度の寿命が決まってしまう傾向もあります。

筋かいや壁に構造の強さを頼っているために、増改築の自由度も少なくなってしまいます。
柱が隠れることも多いので、木材の傷みを発見しにくくなると共に、ちょっとした補修も行いにくくなっているのです。

木造在来工法の住宅は、元々の日本の住宅が持っていた増築や改修の容易さという特徴を残したまま、強さを確保しやすい作り方を取り入れたところが特徴です。
材料が少なくて済む点も特徴ですが、そのために木材の粘り強さを活用するという部分もなくしてしまいました。
増改築の自由度が少なくなってしまった点も弱点といえるでしょう。

とはいえ、大工さんの技術の差による住宅の強さのバラつきが少なくなる点や、構造の強さを計算しやすい点は現代の住まいとしては適した工法といえるでしょう。

在来工法の木造住宅を作る場合には、このいくつかの欠点をよく理解して、欠点を目立たせない配慮が欠かせないのです。
基本的には合理性に優れた作り方なのですが、弱点を知らないで作ってしまうと短い期間で住まいの寿命が来てしまいます。

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   住まいの長所と短所の研究室 アイコン  住まいの長所と短所の研究室 はリンクフリーです。                    2010年11月16日更新

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