JASの長所・良いところ
JAS(日本農林規格)は、農林水産大臣が制定する規格です。
製材、合板、フローリング及び集成材等の木質建材と畳表などが、住宅で利用するJAS規格の材料といえます。
またホルムアルデヒドについては5つの等級が定められていますが、最近の建材では使用面積に制限が無い最高等級の建材が多くなっています。
JASに適合する木質材料については、節や含水率(木の中に含まれる水分の割合)などが、規定の範囲にあることが要求されます。
そのために、比較的安定した材料をそろえることができるのです。
集成材の場合は、接着剤や強度も規定されるので、より安定した強度を持つ材料となります。
JASの短所・悪いところ・欠点
JASに適応した木材に関しては、見た目で判断する部分が多く、かなり曖昧な評価となります。
通常の木材の等級については見た目でしか判断しないので、強度などが分かりにくいという欠点もあります。
含水率についても、測定する場所によって数値が大きく変わるので、本当のところは評価しにくいものなのです。
JASではホルムアルデヒドに対する規制しかないので、他の化学物質に対しては評価できないという欠点もあります。
特にホルムアルデヒドのみを少なくしようとすると、他の有害化学物質の割合が高くなる傾向があるので、それらに対する規制が無いのは大きな欠点となってしまうのです。
JASは厳密な評価というよりは、最低限必要な性能を確保するという側面が強いものです。
特に木材については、目視で評価することもあって、かなり曖昧な評価となっています。
とはいえ最低限の評価を行うことは大切なので、その意味ではJASは必要ともいえるのでしょう。
現状ではJASの化学物質の規制については、ホルムアルデヒドに対する評価しかありませんが、その他の有害物質に対する評価も加えてほしいところです。
また製材の強度についても、木材の生産地が独自に強度を測定して、強度を分類して出荷している地域や材木業者もあります。
そのような地域独自の仕様や基準をまとめて、JASとして統一して規格化することも必要でしょう。