住まいの長所と短所の研究室
寄せ棟屋根の長所・良いところ
寄せ棟屋根は、和風のデザインを強調できる落ち着いた形がポイントです。
外壁の面積を最小にすることができるので、外壁を作るコストを抑えることができます。
また、屋根の高さを低めに抑えることができます。
水が流れる距離を短くできる点も長所といえるでしょう。
屋根に降った水が４つの方向に流れるので、樋から雨水が溢れてしまうトラブルも発生しにくくなります。
屋根の立面積が少なくなるので、台風など強風に対しては有利となります。
棟部分の取り付け強度については弱点ともいえますが、屋根全体が受ける力の面では有利となるのです。
寄せ棟屋根の短所・悪いところ・欠点
屋根の形が複雑になるので、工事が難しく防水上の欠陥が発生しやすくなります。
棟や隅部分に変形した屋根材を使用したり、金物で覆ったりする必要があるので、屋根部分にコストがかかります。
屋根の傷みのチェックの際は、４面すべてを見る必要があります。
雨樋についても４面に取りつけるので、排水経路が多く必要となります。
小屋裏の換気を行いにくいので屋根裏の温度が高くなりがちで、断熱性能における弱点となる場合もあります。
さらに構造部分の湿気を放出しにくくなるので、傷みが早く進む場合もあります。
太陽光発電などに利用する、パネルを設置しにくいところも弱点といえるでしょう。
１面の屋根の面積が少なくなる上に、上部が狭くなるので、パネルを設置できる部分が限られてしまいます。
棟や隅の部分が強風で傷みやすいという点も弱点となります。
屋根全体としてみれば受ける力は少なくなりますが、棟や隅部分の長さが長くなるので、取り付け強度が不足すると飛ばされやすくなります。
寄せ棟屋根は、和風のデザインを強調できる落ち着いた形がポイントです。
その分コストや作りにくさも上昇してしまう欠点もあります。
また小屋裏の換気を行いにくい作りなので、換気に配慮した設計が欠かせません。
屋根のデザイン面では、屋根の形を必要以上に複雑にしないことがポイントになるでしょう。
平面が複雑になると、屋根の形も複雑になりがちです。
そうなると、ただでさえ複雑な屋根の作りが更に難しい作りになってしまいます。
そこで独立柱や袖壁を追加したりして、屋根の形をシンプルにする工夫も必要となるのです。