天然木材

住まいの長所と短所の研究室 住まいの長所と短所の研究室 アイコン

天然木材の長所・良いところ

天然の無垢の木材(自然の木のまま形だけを整えた材)は長持ちします。
法隆寺の例は特別としても、200年程度昔の民家に使われている天然木材もたくさん現存しています。

天然の木材は断熱性能もあり、触って暖かさを感じることができる材料です。
また調湿性能もあるので、触れるとさらっとした感触となります。

もともとシックハウス対策は必要がない材料なので、健康住宅にはたくさん利用されます。
(ただ天然の木材から出るヒノキチオールなどは、シックハウスの症状によっては発症の原因となる場合があります。)

節がないような見かけの綺麗さにこだわらなければ、比較的安価な材料です。
構造部分に使用される材料は安価なので、このような材料を上手く活用できれば、仕上の材料としても安価に抑えることが可能なのです。

天然木材は適切に乾燥した状態ならば、劣化やシロアリの被害を抑えることが出来ます。
上手に使えば、サイディングや金属屋根よりも耐久性を持った材料です。
室内仕上材としても、傷や汚れなどがなければ長く使える材料です。

天然木材の短所・悪いところ・欠点

天然木材には節や欠陥があるので、強度のばらつきがあるところが構造材としての欠点です。
また現在の工法では木材と金物を組み合わせる必要がある点も、欠点の一つといえるでしょう。
金物が結露することで、接している木材が傷んでしまうのです。

水に濡れたりする場所や常に高温多湿の環境では、傷みが早くなってしまうところも弱点です。
普通の環境であれば、多少濡れたり湿気が多くても平気なのですが、それが続くと急に腐れやすくなるのです。
同時にシロアリの被害も多くなってしまいます。

天然の木材は、材料の芯の部分まで乾燥させるためには時間がかかります。
乾燥しないまま使うと、反りが生じたり、大きさが小さくなり隙間の原因ともなります。

自然乾燥の場合は、構造用で数ヶ月、仕上用で1年、乾燥のために期間がかかる場合があります。
人工的に短期間で乾燥することもできますが、乾燥方法次第では木材が劣化してしまう危険性もあるのです。

天然木材は、断熱性能や調湿性能を備えつつ長持ちする、優れた材料です。
しかし扱い方が難しく強度にバラツキがあるために、過小評価されている材料ともいえます。

木材の生産地次第では、個々の材料の強度を表示しているところもあります。
これを活用すれば、強度のばらつきに関しては問題なくなります。
(一般的な材料は、集成材に匹敵するほどの強度を示しています)

天然の木材を使用する場合は、現在の住まいづくりにおける木の弱点をよく理解して、それをカバーする使い方をすることが必要です。
本当にしっかり作った天然木材の住宅は、実際に200年以上経っている民家があることを考えても、長持ちするはずなのです。

天然木材 集成材


   住まいの長所と短所の研究室 アイコン  住まいの長所と短所の研究室 はリンクフリーです。                    2010年10月26日更新

住まいの長所と短所の研究室    copyright 2009-2016 kaNazu All Rights Reserved