200年住宅

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200年住宅の長所・良いところ

200年住むことができる住宅であれば、建て替えの回数を格段に減らすことが出来るので、建て替えに伴うコストやエネルギー消費を削減できます。

また200年周期くらいに起こる大地震にも耐える様に丈夫な構造とするので、大地震の際にも安心です。

仕上材料の面でも長期間劣化が少ない 上質な材料を使用する(はず)ので、より快適な暮らしが期待出来ます。
設備を新しくリフォームしやすく作っているので、後々のメンテナンスについても、比較的簡単になります。

200年住宅の短所・悪いところ・欠点

200年住宅とはいっても、10年毎から20年毎くらいにメンテナンスが必要です。
一般的な住宅でも、しっかりした作りの住宅なら、20年毎にきちんとメンテナンスを行なえば、200年くらい持たせることは十分可能です。
200年住宅は、掛け声だけという可能性もあるのです。

構造部分の金物や合板については、200年持つとは考えられません。
金属部分の腐食や結露による木部の腐敗、合板の接着剤の耐久性など、200年持つのは至難の技です。

この部分を交換すると相当な大工事になります。
もし構造部分に交換が必要なら、200年住宅と呼ぶには大きな疑問があります。

基礎コンクリートの中性化を考えると、標準的には50年程度の耐用年数です。
(これは鉄筋コンクリート構造の公な耐用年数を考えてもらえば理解できます。)
基礎を作り変えることが必要ならば、とんでもない大工事となり、とても200年住宅とは呼べないでしょう。
200年コンクリートも作られてはいますが、まだ現実には実証されていない技術ですし、酸性雨などを考えると微妙な印象です。

最近の住環境の変化を考えると、100年後の生活は想像すらできません。
さらに200年後になったら、現在行なわれている民家再生と同様に、大掛かりな近代化を行なわない限り快適な住まいとはいえない可能性もあります。

林業の植林のサイクルは50年から80年程度が理想的です。
住宅以外の用途(紙や割り箸、家具など)を考えても、100年程度の建て替え周期が、健全な林業経営の為にも有効といえます。

現在の日本の植林状態でも、かなりの量が余っているのです。
仮に木材の輸入が無くなっても国内で使用する木材には不足しない程に生産過剰な状態なのです。
健全な林業を望むなら、100年住宅が順当な所でしょう。

日本特有のシロアリの問題を考えると、あまりに長く住宅を使いすぎると、シロアリ被害に気が付かずに、住まいが危険な状態となる可能性すらあります。
その分、住まいに必要な樹木の成長も早いという点も考慮に入れた、住まいの寿命期間の設定が必要なはずです。
温暖化が進めば、シロアリの被害は確実に増えるはずです。

200年住宅は、元々100年住宅が目標であったものが、エコロジー重視の流れや人気取りの政策によって、半ば強引に倍の200年となったようなものなのです。
100年住宅であるならば目標として適当ですし、現実的でもあります。

しかし200年とした時点で、嘘の部分が非常に目立ってしまう結果となったのです。

本当に住宅を長持ちさせたいならば、新築住宅の税金を安くすること事態が矛盾なのです。
新築の税金を高く設定し、リフォームした際に掛かる税金を格段に安くすれば、自然と住宅を長く使うようになるはずです。

ハウスメーカーの営業支援のような200年住宅は、まったく必要の無い政策と感じられてしまうのです。
(真面目で丈夫な住まいの設計を個人が行なっていても、200年住宅の認定取得は非現実的です。)
本当に住まいを長持ちさせることを考えるのなら、新築よりもリフォームに目を向ける政策や努力が必要でしょう。

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   住まいの長所と短所の研究室 アイコン  住まいの長所と短所の研究室 はリンクフリーです。                    2010年10月16日更新

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